歴史の道 「松江杵築往還」 出雲市園町布崎苅藻谷〜平田町湯谷川




2019年11月20日(火) 歴史の道 「松江杵築往還」 出雲市園町布崎苅藻谷〜平田町湯谷川
 今日は、「松江杵築往還」を、出雲市園町布崎から平田町南本町湯谷川までの約6kmを歩きました。だんだん出発地が遠くなるので、今回は一畑電車で布崎駅まで行ってから、往還大池から下った刈藻谷へ向かいました。

 往還大池から下がってきた道が市道と交差し、西の山へ向かって行き、突き当りから径が木々の間を上がっていきます。近くの人の話では、「この径は『殿さん道』と呼ばれていた。昔はきれいな道で、人が歩いていた。」ということでした。径は溜池に続いており、溜池の管理のために草が刈られていたようです。溜池で径が途切れているようですが、左の茂みの中を覗くと、広い径があるように見えました。

 茂みを入るとすぐ広い径があり、木々の枝が伸びていたり、小木が生えていたりしますが、歩くことにあまり支障はありませんでした。ただ、1箇所だけ篠竹が密生しているところがあり、切り払いながら進みました。途中に木の脇に立石がありましたが、字が刻まれていたように見えますが、もう判読はできませんでした。峠まで上がると、舗装道路と交差します。舗装道路を右へしばらく行くと、大慶寺奥ノ院がありました。

 往還は、峠に上がったところから、舗装道路を横断し、林内に続いていました。林内にも広い径が下がっており、柿畑の脇を通って竹林を抜けると、民家の裏にある墓地の上を通っていきました。墓地を過ぎて、また竹林に入り、山際を廻って下がっていきますが、途中切り倒された木が重なって、径が見えなくなりました。なんとか倒木を避けて、右へ出ると、径が続いていて、林内を抜けると、民家の跡地のような広い場所へ出て、その先、民家の間を細い道が下っていました。

 細い道は市道を横断して伸びていて、すぐ左折しますが、その角にお堂が建っています。左折した往還は、60mほどで右折し、西へ向かいます。この道は「浜往還」と呼ばれたそうです。別の市道と合流して多久川を渡りますが、昔は右斜めの家並みに向かって伸びていたようです。多久灘橋を渡って右折し、民家の間から多久谷簡易郵便局の前を過ぎ、300mほど行くと別の市道と合流する場所に橋があります。以前はここに多久谷川が南西に流れていたとのことですが、今は少し上流で多久川に合流して、南へ流れています。

 市道へ合流したところから妙福寺入口を過ぎ、350mほど行くと、往還は市道の上にある屋号「西津」家から竹藪に入ったということです。家の方に聞いても、往還のことはご存じないようで、竹藪に入ってみても、西へ向かう径はわかりませんでした。

 市道へ帰り、250mほど進むと、右上の民家に向かう小路があり上がってみると、東へ向かって民家の裏に径が続いているのが見えました。この径をしばらくたどってみると、民家の先で密生する竹藪となって径はわからなくなりました。手前から左折し北へ向かう径があり、上がってみると竹林の間を抜けて北の谷の民家へ通じていました。市道の近くまで引き返すと、右へ分岐する小路があり、これをたどると飯山営農センターの前に出て、市道に合流しました。この竹藪からの小路が往還と思われます。

 市道を進み、南北の市道と交差して100mほど行くと、山へ向かう径が上がっています。柿畑と竹林の間を通り、竹林内に入ると、広い径が続いていました。尾根まで上がると、やや草が多くなった径が下っていきます。下ったところは柳楽工業の砂や砂利の建設資材置き場のようでした。駐車場を西へ進み、さらに西への径を探しますが、民家の間の径は行き止まりで、径は不明でした。

 市道へ出て、200mほど西へ進み、往還が下りてくる辺りを探してみました。民家へ向かって北に向かう小路があり、入ってみると、小路は右折し、山際を東へ伸びており、先程径を探した柳楽工業の事務所近くの民家の庭先で行き止まりとなっていました。これが「飯山越え」と呼ばれる往還の出口ではないかと思われます。

 市道へ帰って、100mほど行くと東郷川を渡り、100mほど行くと交差点で県道「小伊津港線」に合流し、西へ進みます。200mほど行くと、県道は左にカーブし、その右手にお堂があり、牧戸の皿地蔵尊が祀られています。耳の病に霊験があるとされ、軒下に皿が吊るしてありました。お堂前の石灯籠に嘉永5年(1852年)と刻まれています。

 お堂を過ぎると天神川を渡り、往還は船川に沿って南下し、右手に愛宕山を見ながら進みます。愛宕山の中腹には平田薬師があり、出雲の三大薬師と呼ばれるそうです。平田中学校近くで薬師橋で船川を渡りますが、川の改修以前は船川沿いに進み、現在の水門辺りに続いていたようです。橋を渡ってすぐに右折し、150mほど川沿いに進んでいくと右手に水門があり、ここを渡って、左折し川沿いに進みます。100mほどで大きな市道を渡ると、「木綿街道」と書かれた大きな看板があります。看板の指し示す方向へ50mほど行き右折し、50mほどで左折します。ここら辺りが新町通りと呼ばれ、古い醤油店や酒蔵がたくさん並んだ「木綿街道」となっています。150mほど行くと右折した通りは片原町と呼ばれるそうです。
 資料では、この辺りを「新宇賀川の橋を渡って50m余りで右に折れて町中に入る。西へ行くこと100mぐらいで三叉路があり、左に曲がって南へ行く。右に行く道は平田薬師への参道であった。ここからを新町通りという。」と記されています。しかし、地図に照らし合わせても、新宇賀川がどこかわからないし、距離と方向が合わないので、不明な部分があります。

 片原町を150mほど西へ進むと、県道と合流し、左折するとすぐ平田大橋を渡り、本町を南へ進みます。北本町、中本町、南本町と進むと、やがて湯谷川に架かる糸川屋橋で本町が終わります。橋の手前で右へ折れると、近世中期まで使われた山手往還へと向かいます。後の土手往還は湯谷川を渡り、南へと向かっていきます。  

松江市千鳥町
宍道湖温泉駅
園町
一畑電車「布崎駅」

一畑電車布崎変電所

園町
大歳神社

往還大池から下りた民家の前を直進する。

道路の突き当りから径が伸びる。

多久町
草が多いが刈られている。

溜池に上がってきた。

溜池の脇の藪の中に径がある。

多久町
広い径が続いている。

荒れた感じだが広い径がある。

笹が密生する場所がある。

多久町
枯れ木が倒れ込んでいる。

木の脇に立石があった。

文字は判読不明。

多久町
峠で舗装道路に出会う。

道路を右へ行くと大慶寺奥ノ院がある。

大慶寺奥ノ院

多久町
道路に出会った向かいの林内に径がある。

林内に広い径が下る。

柿畑の脇を下る。

多久町
民家と墓地の上を通る。

墓地の上から竹林内へ入る。

山際を廻って下っていく。

多久町
倒れた樹木で通れない。

右へ回ると径があった。

再び林内へ入る。

多久町
民家跡のような場所へ出た。

細い路地を下がっていく。

民家の間を過ぎると道路へ出る。

多久町
道路と交差し、向かいの小路へ入る。

三叉路にお堂がある。

お堂の前から左折する。

多久町
お堂の内部

三叉路を右折する。「浜往還」と呼ばれる。

三叉路を左折する。

多久町
往還は斜め向こうに渡っていた。

多久川の多久灘橋を渡る。
多久谷町
川の上流方向

多久谷町
橋を渡って右折する。

多久谷簡易郵便局の前を行く。

多久谷の町を行く。

岡田町
田んぼの向こうに半島の山が見える。

広い道路に合流する。

合流点に以前は多久谷川が流れていた。

岡田町
妙福寺

妙福寺

岡田町の平地を行く。

岡田町
山の上に風力発電の風車が並ぶ。

往還は道の上の竹藪を通った。

竹藪に径はなく道路を行く。

岡田町
往還が下りた辺りを上がってみる。

民家の裏に径が上がっている。

民家の裏を進む。

岡田町
正面は竹藪で径が消える。

手前に北へ入る径がある。

北側の谷へ出た。

岡田町
径を引き返し、右の小路へ曲がる。

民家の間の小路を進む。

小路から道路へ出る。

岡田町
飯山営農センター前を通る。

バス停「飯山入口」の先で道路と交差する。

交差点の先から山へ向かう。

岡田町
竹林の脇に径がある。

竹林の中に広い径がある。

峠付近は草が多くなる。

東郷町
柳楽工業の資材置場に出てくる。

駐車場から西への径を探す。
東福町
径がなく、市道を西へ進む。

東福町
行き止まりから西へ引き返す。

山際に径がある。

径が下っていく。

東福町
民家の前に小路がある。

左折し市道へ出る。

市道を西へ進む。

東福町浜
東郷川を渡る。

東郷側の上流方向

交差点で県道「小伊津港線」に合流する。

東福町牧戸
カーブの手前の右手に皿地蔵尊がある。

皿地蔵尊

皿が吊るしてある。

東福町
お堂の内部

天神川を渡る。

天神川の上流方向

東福町
往還は船川に沿って南下する。
平田町
交差点から船川を渡る。

平田薬師

平田町
平田薬師

平田薬師

展望台から平田市街、仏経山を望む。

平田町
船川の薬師橋を渡る。

往還は斜めに水門へ向かっていた。

橋を渡ってすぐ右折、川沿いに進む。

平田町
水門の上を通り、川を渡る。

水門を渡り、左折し川沿いに進む。

道路と交差し、直進する。

平田町
木綿街道の看板がある。

直進し、すぐ右折する。

木綿街道を西へ進む。

平田町
古くからの醤油店が多い。

一式飾の紹介

T字路を左折する。

平田町
新町通りを南下する。

右折し、片原町を西へ行く。

県道に合流し左折、平田大橋を渡る。

平田町
北本町を進む。

中本町交差点

南本町交差点、右折は山手往還へ向かう。

平田町
湯谷川「糸川屋橋」を渡る。

橋から旅伏山を望む

一畑電車「雲州平田駅」



松江の歴史の道を歩く